生体反応・治癒反応

自律神経とからだ

自律神経とは人間の活動や休息に合わせて体の各組織を無意識のうちに調節している神経のことです。

自律神経の働きは自分の意志とは関係なく刺激や情報に反応して体の機能を調節しています。
血液を流す、胃や腸を動かす、老廃物や疲労物質を集めて便や尿で排泄する、眠っているときに呼吸するなどです。意識できないことを担当するのが自律神経です。日中の活動体調は交感神経、夜間や食事の時は副交感神経がそれぞれ担当しています。(安保徹 著 だるいがスーと消えるより)
体の不調、痛みや症状、病気は自律神経の働きを考慮することで原因に近づけます。

灸文のお灸法

健康であれば痛みや症状は現れません。血流障害や組織障害が生じた患部に圧痛点は現れます。

生体は血流障害(血流障害の原因の多くが冷え、ストレス)が起こると直ちに治癒反応が始まります。患部では主に組織ホルモンであるプロスタグランジンが分泌され痛み、腫れ、発熱、血流回復などの治癒反応が始まります。私たちは誰もが火傷や怪我も痛みや腫れを伴い自然に回復治癒することを経験しています。

痛みや辛い症状を抱えた患者さんの訴えから体表に現れる圧痛点(指端の軽い押圧により起こる痛み)を選択し患部を特定します。
患部とは血流障害の起きている部位です。選択した圧痛点には小さな黒点を印ます、圧痛点の部位から経穴1点を選択し知熱灸を3壮します。施灸の後は圧痛点の変化(鎮痛効果)を確認します。
圧痛点が一気に解消します。施術者も患者も同時に施灸の効果が確認できます。
経穴のみを複数選択し、お灸をしても鎮痛効果は現れません。

患部を明らかにする圧痛点と特別な経穴1点への知熱灸の優しい刺激の相乗効果により治癒反応が大きく促進します。あらゆる痛みや症状に対して即効性のある鎮痛効果が現れます!

経穴とはお灸や鍼の施術点です。その経穴反応には局所反応や少数ですが全身反応があることに気がつきました。
灸文のお灸法は選択する経穴が少ないため、鍼灸の初心者でも迷うことがありません。

知熱灸による弱い温熱刺激は治癒反応である副交感神経反射を起こします。
灸文が選択する経穴は全て全身反応を起こします。

全身反応を起こす経穴の特徴は一穴で多様な痛み、症状、病気に適応します。
経穴への施灸直後に選択した圧痛点が消滅し、患者の訴える痛みが解消、軽減します。

また圧痛刺激も治癒反応(血流回復)を促進する働きであることがわかります。
圧痛点と特定の経穴の組み合わせにより大きな鎮痛効果が生まれます。

痛みや腫れ、発熱、血流促進、圧痛点、弱い温熱刺激(知熱灸)はいずれも副交感神経反射(治癒反射)という共通作用があります。
経穴とは治癒反応である副交感神経反射を進めるポイントですが多くの経穴は局所反応を起こしますが、特定の経穴には全身反応(多様な痛み、症状に適応する)を起こすことが圧痛点経穴灸から明らかになりました。

圧痛点の選択と経穴1点への知熱灸3壮が灸文のお灸法です。

灸文による圧痛点経穴灸と経穴の考え方

様々な刺激に対応し局所あるいは全身反応を調節する自律神経。
経穴は鍼灸師による治療点であり施術点です。経穴とは鍼灸の刺激を受け自律神経反射を誘導するポイントです。
体表にはおよそ365の経穴がありますが、多くの経穴は自律神経反射が限定される局所反応を起こすタイプ、ごく少数ですが自律神経反射が広範囲(全身)に及ぶ経穴があります。

冷たくなった手指を器に入れたお湯に浸すと手指が温まってきます。手指という局所での血液循環の回復です。
冷え切った体を温めるにはお風呂が一番です。全身が温まり、リラックスします、全身の血液循環が回復し、体温が上昇したためです。また痛みの和らぎも同時に起こります。
血管拡張による血流促進は自律神経(副交感神経)の働きです。
局所や広範囲(全身)の血流を促進する自律神経(副交感神経)は温熱刺激によく反応する特徴も見えてきます。

私たちは血流障害でも組織障害でも治るときは必ずプロスタグランジン(生理活性物質、組織ホルモン)が働き血管拡張、体温上昇、痛みを作って治ります。
筋肉痛、関節痛、神経痛、リウマチ、耳鳴り、めまい、眼瞼下垂、片麻痺など全て同じです。

お灸による刺激は血流促進を進め、痛み物質(プロスタグランジン)の希釈により鎮痛が起こります。
生体に起こる痛みは部位や病名にかかわらず全て同じ反応が起こります。

急性痛から慢性痛・関節リウマチの激痛まで

自律神経の特色を生かした新しい施術法であり、患部から離れた、たった一つの経穴への施灸により全身に現れる圧痛点が一気に解消する、直後効果の高いお灸法です。

痛みや病気、症状に応じて現れる圧痛点(血流障害ポイント、副交感神経反射ポイント)から患部を特定し、経穴を選択します。

異なる痛み、異なる病気であっても圧痛点の現れ方から同一経穴の選択がしばしば起こります。
選択した経穴への施灸により多くの圧痛点が同時に解消し痛みや症状の改善、回復につながります。

圧痛点の選択が基本のため、あらゆる症状、痛みへの対応が容易です。難しい理論や特別な手技もありません。
経穴1点への施灸のため施術時間が短いお灸法です。

圧痛点経穴灸の体験コメント

灸文の圧痛点経穴灸法にご興味を持たれた鍼灸師 のK氏が新幹線を乗り継いでお見えになり、その体験をフェイスブックに投稿されました。

鷲尾先生の圧痛点経穴灸法を受けさていただき、あれだけの温感でなぜ効くのだろうと、疑問に思い、最新の鍼灸学校で教えられている、はりきゅう理論を取り寄せて読んでみたり、インターネットで温度感覚、温度受容器に関する学術文献などを探して読んでいます。
圧痛点経穴灸法は、侵害(ポリモーダル)受容器を刺激するのでもなく、焼灼毒(ヒストトキシン)による刺激でもない今までにない新しい画期的な灸法で、日本から世界に発信できる灸法ではないかと思っています。
私の(FaceBook)に以下のような文章と写真を添付し投稿しました。

「久しぶりの投稿です。今日は仕事を休みにして、東京江戸川区にある灸文治療所の鷲尾先生の灸施術を受けに行ってきました。「熱くないお灸施術」をしているとのことで、興味を持ちその灸施術を受けました。
まずは、症状のいくつかの圧痛点に印をつけ、そこから離れたツボ1つに、米粒よりやや大きめのもぐさを2〜4回行うお灸でした。
実際、灸施術を受けてみると「あれっ、こんな熱感でもいいの?」と思われぐらいの熱刺激で、印をつけた圧痛点が解消されていました。私にとって「お灸は最低限度の熱感がなければいけないもの」という常識が打ち砕かれた瞬間でした。また先生は、いくつかのご質問にも快く答えていただきました。
 NHKの子供番組ゴーゴー キッチン戦隊クックルンではありませんが、お灸は「小さくても最高、最強」、お灸施術の未来を「肌」で感じさせていただきました。」